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Project no.13

​長文ポエム折本8P

ココロ(CV;初音ミク)

の文字列見て止まれなくなってしまったので

ちょうど700系の兄弟であるところの

台湾新幹線THSRに乗りながら書きました

コミケ配布のショート版(8P折本)

​サイト公示のフル版がございます

「アイスと家出少女たち(フル版)」
(Inspired by シンカンセンスゴイカタイアイス/シャノン)

夜行バスのヘッドライトが、暗い国道を細長い帯のように照らし出している。窓ガラスに反射するオレンジ色の街灯が、三姉妹の顔を朧(おぼろ)に浮かび上がらせた。タマキはシートに深く腰掛けたまま、少し疲れたような眼差しを前方に向けている。チヒロは隣の座席で、スマホの画面をぼんやり眺めていた。無口な長女のココロはその隣で、イヤホンを片耳だけ装着しながら、外の闇に視線を投げかけている。

「ねえ、まだ眠れない?」
前方座席から振り返ったタマキが小声で聞いた。彼女の目の下にはうっすらとクマができている。夜行バスの真っ暗な車内で眠るのは、想像以上に難しかった。座席は少しリクライニングができるものの、バスの振動と時折聞こえてくる乗客の寝息や寝返りが、どうにも落ち着かない。

「ちょっとだけうとうとしてたけど……また起きちゃった」
チヒロは弱々しく笑う。そう言いつつも、その声にはどこか不安が混じっている。彼女は窓の外に目をやると、町の明かりがあまり見えないことに気づいた。どうやら高速道路の夜間区間に入ったらしく、周囲は黒い山影と街灯がまばらに立つ暗い道だけ。時々、遠くの工場が放つ白い煙が、月光に照らされるのが見えるくらいだ。

「次の休憩、何時だったかな」
ココロがイヤホンを外し、タマキに聞いた。タマキはスマホで確認して、「あと30分くらい……深夜2時くらいにサービスエリアに停まるよ」と答える。彼女の声には微かな疲労と苛立ちが含まれていた。いつもなら冷静なタマキも、ずっとバスに揺られ続けて神経が尖っているらしい。

「新幹線やったら、あっという間に東京なのにね」
チヒロは窓の向こうを見つめたまま、ひとりごとのように呟く。「新幹線のアイス、食べたいな……」その声は、闇に溶けてしまいそうなほど小さくてかすれていた。家出する前に一度だけ乗った東海道新幹線の思い出が、まるで遠い昔のように感じる。あの「カチカチに硬いアイス」をスプーンでゆっくり削りながら食べた光景は、もう現実かどうかも曖昧になりそうだった。

タマキは苦笑混じりに、「確かに夜行バスよりは快適かも。…でもしょうがないよ、お金ないんだから」と小さく肩をすくめる。彼女は財布の中身を何度も数えた末、夜行バス以外の選択肢が残されていないことを痛感していた。実際、三人分のバス代もギリギリだったのだ。  
 
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やがて、バスは小さなサービスエリアへ滑り込む。車内がぼんやりと蛍光灯に照らされ、半分眠りこけていた乗客たちが起こされる。運転手の落ち着いた声が「20分ほど休憩をとりますので、お忘れ物のないよう…」とアナウンスを続けていた。タマキとチヒロ、そしてココロはまぶたをこすりながらシートベルトを外し、重い腰を上げる。

深夜2時のサービスエリアは、不自然なくらい静寂に包まれていた。駐車しているトラックやバスのエンジン音が遠くで唸っている以外、人気(ひとけ)はほとんどなく、自販機コーナーの薄暗い照明が寂しげな雰囲気を醸し出している。  
 
「寒い……」
チヒロが薄手のパーカーを羽織りながら小さくつぶやく。夜中の高速道路は季節に関係なく冷えるし、街灯の青白い光だけが彼女たちを浮かび上がらせていた。アスファルトの照り返しで熱い昼間とは対照的に、どこか世界が死んでいるような暗さだ。

「なんか、ちょっとだけ怖いね」
タマキが自販機のコーヒーを買いながら、しきりに周囲に目を配る。こんな深夜に娘たちだけでうろついているのを、誰か不審がってはいないだろうか。後ろめたいような、不安になるような感覚が胸を締めつける。  
 
「でも、家にいるよりずっとマシかも」
チヒロがつぶやいた言葉に思いを巡らし、タマキは微かに眉をひそめる。確かに、今の彼女たちが実家に戻れば、母親から責められるのは目に見えていた。母との不和が頂点に達し、そこから抜け出すために決行した“家出”――本当なら、こんな暗闇の中をさまようようなやり方はしたくなかったはずだ。  
 
三姉妹は手洗いを済ませ、ポケットの小銭を集めて買ったお菓子の袋を開けながら、バスの駐車スペースへ戻ってくる。頭上には無数の星が瞬いているはずなのに、サービスエリアの灯りが邪魔をしてあまり見えない。遠くのほうで、パチンコ店やゲームセンターの大きな看板だけが控えめに光を放っているのが見えた。その看板はネオンが切れていて、一部がチカチカと点滅を繰り返している。  
 
バスに乗り込み、再びシートベルトを締める。さらに暗さを増した車内には、疲労のためか微かないびきがあちこちから響いていた。運転手がギアを入れると、バスは重い音を立てながらエンジンを吹かし、闇の中へと再び走り出す。ココロは軽く目を閉じていたが、眠っているのかどうかは判別できない。ただ、その唇が小さく震えているのをチヒロは見逃さなかった。

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夜行バスは静かな暗闇を切り裂いて進む。チヒロは、まるで闇の底に落ちていくかのような感覚に襲われる。車内には、シートの隙間から漏れてくる非常灯の控えめな光だけ。周りに座る乗客の顔もはっきりとは見えず、突如として悪夢の中に閉じ込められている気がした。そんな雰囲気に少し耐えられなくなりかけたとき、ココロが小声で話しかけてきた。

「…怖い?」
ほんの一言。その声に、チヒロははっとして、「うん、ちょっとだけ」とかすかに首を縦に振る。ココロはさらに、「…ママ、何か言ってた?」と続ける。チヒロはスマホを握りしめて、LINEのグループトーク「いえ(4)」を開こうか迷った。画面を開けば、母の激しい言葉がまた目に飛び込んでくるかもしれない。だけど、開かないとどこか落ち着かない。

思い切って確認してみると、「誰がこんなこと言い出したの?どうせココロお姉ちゃんでしょ」「裏切ったわけじゃない」といったやり取りから、やはり止まっている。既読すらついていないようだった。バスの暗がりの中で見るこのやり取りは、まるで自分たちの存在を否定されているようで、胸が苦しくなる。けれど、チヒロはグッと耐え、画面をそっと閉じた。

「…何も増えてない」
それだけ言うと、ココロは短く「そっか」と返す。二人の会話は、それきり止まった。タマキは眠っているのか反応がない。あるいは、わざと聞こえないフリをしているのかもしれない。彼女は強い子だ。
 
車内は高速道路を走る独特の振動と、エンジンの低いうなりが混じり合い、誰もいないような静かさと誰かの息遣いが混在する不気味な空間になっていた。シートのビニール生地のひんやりした感触と、薄暗い通路の先にあるトイレの扉――まるで新幹線のトイレを思い出して、チヒロは思わず小さく笑ってしまう。かつてLINEで新幹線や鉄道車両のモノマネをやって笑いあった頃が、やたらと懐かしい。あの頃はまだ「家出」なんて言葉は現実味を帯びていなかった。

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そうして、夜の帳は淡々と下り続ける。いつの間にか車窓に微かな光が差し始めたとき、チヒロはふと眠りに落ちていたのかもしれない。うたた寝から目を覚ますと、バスは田園風景の中を走っていた。シートベルトが肩に食い込むように痛い。隣を見ると、タマキも微妙に姿勢が崩れたままうつむいている。ココロは相変わらず無言のまま、前を向いていた。

遠くに薄青色にかすんだビル群が見えてきたのは、おそらく名古屋近辺だろうか。新幹線なら、三河安城駅を通過するあたりだ。歌詞にあるように「あのカチカチなアイスが食べたい…」という思いが、チヒロの頭をよぎっていく。自分たちの移動手段が新幹線なら、どれほど楽で、どれほど心躍る旅になっていただろう。大きなシートで窓の外を眺め、パンタグラフが風を切る音を想像し、「夢の超特急」を満喫できたかもしれないのに。

けれど、現実には夜行バスの安いチケットだけが三姉妹の選択肢だった。母との決裂、父の不在、限られた貯金。そんな諸々が、彼女たちを静かに締め付けていた。  
 
「あ、もうすぐ新宿着くって」
タマキがスマホで運行情報をチェックしながら言う。夜行バスはこれから都心へ入り、最終的に新宿駅付近で降車する予定になっている。そこから電車を乗り継いで東京駅へと向かう段取りだ。タマキが繰り返し調べていた路線案内には「新宿駅到着:AM 5:45予定」という文字が表示されている。

夜明け前の新宿。ネオン街で働く人々がちょうど退勤し、酔いつぶれた客が道端でうずくまる時間帯。かつてはいつもの生活では見えなかった光景が、三姉妹の目の前に広がることになる。ココロが小さく息をのんだように見えたが、それを言葉にすることはなかった。

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バスが新宿駅に到着したのは、予定より少し遅れて午前6時前だった。車内灯が一斉につき、乗客たちは一斉に動き出す。シートに押し付けられていた身体が微妙に痛い。三姉妹も鞄やリュックを手に取り、バスのステップを降りる。外の空気はひんやりとしているが、夜行バスのこもった熱気に比べれば心地よいとさえ思えた。

夜明けの新宿駅南口付近は、ビルの谷間を静かに朝日が染めはじめている。けれど、そこかしこに夜の名残がある。ごみ箱に散らばるコンビニ弁当の空容器、道端でまどろむサラリーマン、不安そうな顔でスマホを見つめる若者たち。一種の疲弊感が街全体を覆っていて、光が射しているのにどこか陰鬱な雰囲気を拭えない。

「すっごい疲れたね…」
チヒロがつぶやく。夜行バスの振動と狭さで眠れず、体力を根こそぎ奪われたような感覚がある。タマキとココロも似たような表情を浮かべていた。

「でも、ここから東京駅に行く電車賃は確保してる。少しぐらいなら朝ごはんも…」
タマキが言いかけたとき、ココロがスマホ画面を見つめているのに気づいた。どうやら「高槻ばあちゃん」からメッセージが入ったようだ。「もう新宿に着いた?東京駅までは電車で気を付けておいで」と。チヒロは、それを見て少しだけ顔をほころばせる。東京駅まで行けば、ばあちゃんが迎えに来てくれる。ふと、夜中のあの暗く苦しい時間を思い返すと、ほんの小さな光が射してきたような気がした。

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電車を乗り継ぎ、なんとか東京駅へ到着したころには、もう朝のラッシュが近づいていた。構内には多くの人が行き交い、コートのすそをひるがえすビジネスマンや観光客が足早に改札を通り過ぎる。三姉妹は大きな荷物を抱えながら、目印にしていた待ち合わせスペースへ急いだ。

そこには、高槻ばあちゃんの姿があった。白髪まじりの短い髪、少し猫背気味だが、どこか背筋が伸びているようにも見える。ばあちゃんは三姉妹を見つけるなり、小走りで駆け寄ってくる。「お疲れさん、よう頑張ったねぇ」と優しく声をかけながら、一人ひとりの肩をポンポンと叩いた。

「ばあちゃん…」
チヒロは疲れと安堵で泣きそうになるのを必死でこらえる。夜行バスの車内で感じた暗澹(あんたん)たる思いが、ばあちゃんの一言で少しずつほどけていくようだった。タマキは「迎えに来てくれてありがとう。なんとか無事に…」と疲れた声で言い、ココロは静かにうなずくだけ。しかし、その頬はわずかに紅潮していた。

「ほら、これ。あんたらが好きなんやろ」
ばあちゃんは保冷バッグを示す。中には、三姉妹おなじみの「シンカンセンスゴイカタイアイス」が入っているという。思わずチヒロは「ばあちゃん、こんなんどこで…」と口を開きかけるが、ばあちゃんは「駅ナカのスジャータ自販機で買えたんよ。のぞみの停車駅やからね」と笑う。東海道新幹線ののぞみ停車駅では、今やこのカチカチアイスが買えるという噂を聞いたことはあったが、本当にこんなところで手に入るとは思わなかった。

「でも、家に帰るまで溶けへん?」
心配そうなチヒロに対し、ばあちゃんは「安心せぇ、保冷剤がたっぷり入っとるから」と胸を張る。ふとそのやりとりを見ていたタマキも笑顔を見せるが、すぐに真顔になって「…ねえ、ばあちゃん。ママは何か言ってない?」と尋ねる。ばあちゃんは少し言いにくそうに口を濁した。どうやら、母から「そちらに行ったら、連絡をください」という簡単なメッセージはあったらしい。だが、それ以外は特に何もなかったという。  
 
「まぁ、すぐには何も変わらんよ。でも、あんたらが本当に辛いなら、ばあちゃんの家で落ち着くまでおりゃあええ」
ばあちゃんはそう言って、三姉妹を優しく見つめた。昭和34年生まれのばあちゃんは、かつて三姉妹の両親が結婚した当初、しばらく同居していた時期もあった。そのときにチヒロは一年ほど一緒に暮らしており、何よりも大切な思い出を作ったのだという。夜行バスで家を出る決意をしたとき、真っ先に彼女たちが思い浮かべたのは、ばあちゃんの存在だった。

「……ありがとう」
ココロが控えめにそう言うと、ばあちゃんは三姉妹の荷物を持とうとする。「重たいやろ、ばあちゃんが持つで」と言って、遠慮するチヒロから半ば強引にリュックを受け取る。  
 
東京駅の構内を歩きながら、ばあちゃんはちらりと新幹線の改札口を見上げる。そこには、華々しく飾られた「東海道新幹線開業〇〇周年」のポスターが掲げられていた。昔は「弾丸列車」とまで呼ばれたプロジェクトが、今や当たり前に人を東西へ運び続けている。そして、その陰でリニア新幹線がもうすぐ開通するかもしれない――そんな話を思い出すと、過ぎゆく時の流れに一抹の寂しさも覚える。

ばあちゃんは小さくため息をつきながら、「戦前の弾丸列車計画を知ってる人なんて、今じゃほとんどいなくなってしまったね……」と呟く。その背を追いながら、三姉妹はそれぞれの胸に重いものを抱えていた。深夜のバスの中で感じた不安は、確かに東京に着いても拭いきれない。これから母とどう向き合えばいいのか、家を出たことは正しかったのか――答えは誰もわからないのだ。

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駅を出て、ばあちゃんの車に乗り込み、バイパスや高速を経てばあちゃんの家へ向かう。車窓から見える都会のビル街は、夜明けが過ぎたばかりで眠たげなままだった。廃れた商店街のシャッターや、昭和の時代から建っている工場の黙々と上がる煙突。そこに新しく建つガラス張りの超高層マンションが混在する景色は、どこかチグハグで、三姉妹には「日本って不思議だね」と思わせるだけの迫力があった。

「もうすぐ家やから、あとちょっとの辛抱やで」
ばあちゃんはハンドルを握りながら、バックミラーに映る孫たちの様子を気にかけている。タマキはまだぼうっとしているようだし、チヒロはスマホを握ったまま車窓を見つめている。ココロは黙りこくって視線を落としたままだ。

しばらく走り、ばあちゃんの家が見えてきたころ、三姉妹はようやく落ち着いた様子を取り戻し始めた。木造の古い一軒家。瓦屋根が少し色あせているのは、昭和の名残そのものだ。玄関には小さな表札が掛かっていて、“高槻”という文字が目に入り、チヒロの胸は一瞬暖かいもので満たされた。もう一度この家に来ることができたという安堵感が、夜行バスでの不安や緊張をほんの少し和らげる。

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家に入ると、ばあちゃんはすぐにエアコンをつけ、三姉妹に布団を用意し始める。チヒロは「あ、うちがやるよ」と手伝おうとするが、「あんたらは休んどき」と言われ、リビングに通された。タマキは両手を伸ばして大きく背伸びして、「やっぱ夜行バス、もう乗りたくないかも」と嘆息する。ココロは「……うん」とうなずくだけだが、視線が少し遠いところをさまよっている。

「とりあえず、ごはん食べる? それとも寝る?」
ばあちゃんが温かい声で尋ねる。三姉妹は顔を見合わせる。実を言うと、彼女たちは空腹かどうかさえわからないほど疲れ切っていた。今はただ、何も考えずに横になりたい気持ちが強い。

「ちょっとだけ寝る……ほんでから、アイス食べる」
チヒロはそう言いながら、今日ばあちゃんが買ってくれた「シンカンセンスゴイカタイアイス」を思い浮かべる。夜行バスの狭い車内を思い返すだけで、しばらくは家から出たくないとさえ思う。あの暗闇の中、シートベルトに拘束されるように揺られた感覚が、まだ身体のあちこちに残っている。

「ええよ、アイス冷凍庫に入れとくからね。溶けへんようにしとくわ」
ばあちゃんが笑顔で答える。その笑みを見ると、タマキもココロも、やや硬かった表情が少しだけほころんだように見えた。三姉妹は布団に潜り込み、それぞれ“寝落ち”するように意識を手放した。

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暗いバスの車内――立ち込める不安と、母から逃れるために飛び出した罪悪感。夜行バスという密室空間で感じたあの微かな恐怖。薄暗いサービスエリアで漂っていた寂寥感。そんな記憶が頭の中をぐるぐると渦巻きながら、チヒロは眠りについた。どこか暗い、悪夢の予兆めいたものをかすかに感じながらも、ばあちゃんの布団の温かさが、どうにかその闇を遠ざけてくれる。

「……新幹線の、スゴイカタイアイス……」
まどろみの中で、チヒロは口元だけ動かして、うわ言のようにそうつぶやいた。いつかきっと、また新幹線の車内でこのアイスを食べられる日が来るだろうか。母との関係はどう変化していくのか、父は自分たちの家出をどう思っているのか――すべてが闇の中に沈んでいる。でも、今はただ、この安息の眠りを貪りたい。夜行バスに揺られ続けた疲れが、そのまま闇の淵へと誘うようにチヒロの意識を奪っていった。  

そして、三姉妹が目を覚ますころには、外にはまた新しい朝の光が差し込んでいる。それは、夜の闇を越えたというだけで得られる、わずかながらの希望の兆しだった。しかし、母からの連絡はないまま。家を出てきたという事実は消えない。三姉妹がこれから背負っていくものは彼女たちの思うより重いものかもしれない。 

だが、いつか「のぞみある未来を取り戻せ!」と叫べる日が来ることを願って。闇の底でも、小さな光は差し込んでいる。ばあちゃんの家の冷凍庫には、カチカチのアイスとともに、三姉妹の微かな希望もまた、ぎゅっと詰まっていた。  

「アイスと家出少女たち」ショート版 折本pdf

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